• ホーム
  • >
  • 診療科・部門のご案内 : 外科 鼠径ヘルニアについて
外科

鼠径ヘルニアについて

鼠径(そけい)」部とは、太もももしくは、足のつけねの部分のことをいい、「ヘルニア」とは、体の組織が正しい位置からはみ出した状態をいいます。 「鼠径ヘルニア」とは、本来ならお腹の中にあるはずの腹膜や腸の一部が、多くの場合、鼠径部の筋膜の間から皮膚の下に出てくる下腹部の病気です。 一般の方には「脱腸」と呼ばれている病気です。

鼠径ヘルニアの症状

足のつけ根あたりが膨らんできたら・・・ それは 脱腸、すなわちソケイヘルニア の可能性があります。

初期症状は、立った時とかお腹に力を入れた時に鼠径部の皮膚の下に腹膜や腸の一部などが出てきて柔らかいはれができますが、普通は指で押さえると引っ込みます。 はれが急に硬くなったり、膨れた部分が押さえても引っ込まなくなることがあり、お腹が痛くなったり吐いたりするとヘルニアのカントン(嵌頓)といい、急いで手術をしなければ、命にかかわることになります。 鼠径ヘルニアの症状

手術の種類について

鼠径ヘルニアは投薬では治すことはできません。当院では、人工補強材(メッシュ)を使って弱った部分を補強する手術法をおこないます。
1 プラグ法(直達法)
2 ダイレクトクーゲル法(直達法)
3 腹腔鏡下修復術(TAPP法)
直達法 皮膚をやや大きく切開し突出した部分を修復し、直接上から膜をかぶせる方法です。

プラグ法

プラグ法

ダイレクトクーゲル法

ダイレクトクーゲル法

腹腔鏡下修復術(TAPP法)

腹腔鏡(細い管の先端にカメラが付いた手術器具)を使用しておなかの中から穴を閉じる方法です。 鼠径ヘルニアに対する腹腔鏡下手術は、厚生労働省の資料から2007年では約6,200例と推定されています。 お腹に5mmから12mmの小さな穴を3ヵ所程度あけます。そのうちの1つの穴からカメラを入れてお腹の中を映します。その像をテレビモニタで観察してヘルニアの場所を見つけ、別の穴から入れた手術器具を外科医が操作して患部の治療をします。
ヘルニアの突出部
腹腔鏡下修復術(TAPP法)

腹腔鏡下手術の利点と欠点

利点
・創部痛を含めた術後疼痛を軽減できます。
・全身麻酔なので本人はわからないうちに手術終了できます。
・お腹の中(腹腔内)を観察しながら手術を行うので、症状が出ていない小さなヘルニアの見落としが少ないです。

欠点
・必ず全身麻酔で行う必要があります。
・開腹手術と比較すると手術時間が長くかかります。
・費用が開腹手術と比較すると高くなります。

入院期間と退院後について

入院期間は個人差がありますが1日から3日くらいです。
退院後は日常生活(散歩、軽い運動、庭いじり)や机に座ってする事務などは 患者さんの判断で再開します。通常術後約1週間から2週間が目安になります。
術後3週間を過ぎれば、それ程激しくない運動であれば、再開することが出来ます。

当科では2015年度より積極的に腹腔鏡下手術を行っております。
また手術法についてはその方にあった方法を選択します。
外科外来にてお気軽にご相談ください。

フロアマップをみる